〜私の知らない過去〜【FFI編】第２幕

〜８８〜 ページ44

A「円堂！待ってくれよ！」

理事長室を出た後、私は円堂を追いかけて校舎裏まで来た。





円堂「………何で………！

　やっと……自由にサッカーが出来るようになったのに……!!


　これからもずっと一緒に……サッカー出来ると思ってたのに……!!!」





A「…っ！ 円堂!!!」


円堂「っ!!!!?」





私は正面から円堂の肩を掴んで怒鳴った。




A「しっかりしろよ!!
　豪炎寺の事は悔しいけど、私達には決勝戦があるんだぞ！」


円堂「悔しいけどって……それだけかよ……？

　豪炎寺が居なくなって、悔しいの一言で終わらせるのか!!?」





A「そういう意味じゃない…！

　キャプテンがそんなんで、どうするんだよ!?

　今の私達に出来る事って、ただ豪炎寺を惜しむことか…？
　そんなんで、豪炎寺の為になるって言えるのか!!」



円堂「っ………!!」





A「私は諦めたくない……!!
　豪炎寺と一緒に、世界に行きたい!!!

　それにはまず、練習に打ち込まなきゃダメなんだ！

　例えコレが最後だとしても…諦めないで、戦おうぜ……!!」




円堂の肩を掴む手に、より一層力を込めて言葉を投げかけた。





円堂の瞳は、徐々に覚悟を決めていく。






円堂「……そうだよな……
　ごめん、A……

　オレ、自分が見えなくなっていた……
　大切な事を……忘れていた………」



A「きっと豪炎寺も、今の円堂と同じだ。
　自分を見失っていて、本当に大切な事に気付いていない。

　だから、私達が何とかしなきゃ！」




円堂「……あぁ！」









・









・




グランドに戻ると、豪炎寺は虎丸と一緒に連携シュートの特訓をしていた。




虎丸「今の………結構、良かったじゃないですか……？」

息を荒げながら、虎丸は豪炎寺に問いかけた。




豪炎寺「全然駄目だ。
　まず、お前のタイガードライブのスピードが遅い。
　だからオレのキックのタイミングが掴めない。」


虎丸「っ！………スミマセン………」





A「豪炎寺が、あんな言い方するなんて……」


円堂「やっぱり、アイツも焦ってるんだ………」







豪炎寺………。


私達に、何か出来る事は無いのか？




お前の為に………


力になれるような事は、無いのか？

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