91-sho side- ページ14
…
今日は千秋楽
やっと
やっと今日を迎える
…
2年前
あいつと約束をした
り「急に呼んじまって悪ぃな」
握手を求めるその腕が、手が
今にも折れてしまいそうで
一瞬で事態を把握する
り「喋れねぇから…簡単に…
首を大きく振り頷けば
り「Aを幸せにし…てやって…くれ
り「離れさせちまっ…て悪かっ…た
り「でも…ありがとうな
…
"Aを頼む"
振り絞るように一言一言話せば
急に眠り込む
…
さ「王子だよね、わざわざ弟が呼んだみたいで…忙しいとこ悪かったね」
「…いえ…
さ「あんまさ、コイツと君のことに立ち入るつもりは無かったけど…これだけは言わせてね」
「はい」
さ「王子がさ、コイツの事知ってAちゃんの事手放したのわかってたよ…"俺達… "
さ「入院生活の中でAちゃんがすごく支えになってたから、ここまで頑張ってきたと思うし、好きな子の側にいれて良かったと思う」
さ「けどね、コイツも俺らも彼女の気持ちがどこ向いてるかわかってたよ」
「…
さ「言ってたんだ、一緒に過ごす中でAの中に一日一日王子の存在が色濃くなってんだって。わかってるのにAを独り占めして、同情引いて離せなくて、なさけねぇよって…
「っつ、それは違います！！！」
思わず出てしまった大きな声に
佐藤…凌さんがうっすら目を開ける
ベッドサイドに近づけば
「彼女は自分の意思で貴方の側にいたんじゃないですか？…独り占めとか、同情とかそんなんじゃなくて…
"あいつを好きな男"
なら、わかるでしょ、彼女がどんな女性か！」
「あなたを放って自分の幸せ掴むような女じゃないだろう？自分の事より人のこと考えるような女だろ？
何より彼女はずっとあなたを引きずってた、それを乗り越えようともがいてた！何も想っていないなんて、絶対ない！弱気になんなよ、彼女の気持ち、捻くれてねぇできちんと受け止めろよ！
大した女なんだよ…
じしんがないくせにいつも真っ直ぐで
だから…
だからっ…
…
好きなんだよ…」
ベッド柵を握りしめる拳に
大粒の雫がポタポタ落ちる
ぼんやりした視界の中で
凌さんがそっと頷いた気がしたんだー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや - 完結おめでとうございます。お疲れ様でした。10年の間の日々の事や、れんくん達のお話など、短編でも良いので続編を書いて欲しいと思います。楽しみにしています。 (2019年3月11日 9時) (
レス) id: eabae93259 (このIDを非表示/違反報告)
?HANA?(プロフ) - 完結おめでとうございます！ ぜひ続編をお願いします！無理だけはしないでくださいね？！ (2019年3月7日 0時) (レス) id: 261760be67 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - この作品大好きです。続編楽しみにしています！ (2019年3月6日 23時) (レス) id: ad4e5580f7 (このIDを非表示/違反報告)
?HANA?(プロフ) - 更新お疲れ様です！ (2019年3月6日 20時) (レス) id: 261760be67 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - みなさん、ありがとうございます！！ (2019年3月6日 18時) (レス) id: ca8f5d0f58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kumatan | 作成日時：2019年2月7日 23時
