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名古屋駅に着くとどっと疲れが襲う
外はもう真っ暗で
日中より過しやすい気温の為か人が多い
騒がしい人混みを早足で駆け抜ける
在来線で最寄り駅に着く頃には21時を過ぎていた
ゆっくり階段を降りる
自宅までの道のりを考えるだけで憂鬱になりながら
改札を抜ける
駅を出て歩き出そうとすれば
自販機の横に座る人
それは最近覚えた後ろ姿で
私の足音に気づけば
ゆっくり振り向く
「Aちゃん、遅くまでお疲れ様」
…
「しょうくん?わざわざ待っててくれたの?
メール返してなかったのに…」
「?」
「しょうくん?」
…
し「帰ろっか」
…
少し間があったように感じたのはこのヘアメイクのせいだろうか
いつもより少し派手な私を彼はどう思うのだろうか
そんな事聞く勇気はない
し「よいしょっと」
目の前に停めていた自転車を押し出す
そこからはいつもの彼に戻った様子で
し「俺実はさー、ほら、朝言ったじゃん?
ヒョウ柄の彼女を迎えにきたんだよー」
"もう待ちきれなくて"
おどけたようにいう彼
「ヒョウ柄の…彼女…?」
なんだ、彼が待つのは私ではなかったのか
そんな人がいるのか
頭の中がぐるぐるしていると
し「東京ばなな、買ってきてくれた?」
キラキラした笑顔をむける
…
「ふーん、東京ばな………。
な、あーーーー!!」
「ごめーん、忘れちゃってた!!」
あんなメールを貰ったのに
すっかり頭からすり抜けていた
正しくは舞さんと話した"あの事"が頭を占領していて
彼にお土産一つ渡せない自分にガッカリした
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杏潤(プロフ) - わたしは表現の仕方は自由だと思うから、どんな形で表現してもいいと思う。わたしはこの作品がおもしろいと感じ、もっと読みたいって思いながら、次のページへのボタン押してます!いつもステキな作品ありがとうございます◎ (2019年2月9日 4時) (レス) id: 2b8e4fd199 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 嬉しいコメントに私も泣きそうになりました。評価が上がるようにこれからも頑張ろうと思います。ステキなコメントありがとうございます!! (2019年2月4日 7時) (レス) id: ca8f5d0f58 (このIDを非表示/違反報告)
くもり(プロフ) - 久しぶりに作品を見ながら泣いてしまいました、上の評価がありえないくらいにとても心温まるお話で主人公と紫耀くんのこれからがもっと見たくなりました。更新頑張ってください。 (2019年2月4日 2時) (レス) id: dd30b09f12 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - あめんぼさん» ありがとうございます、引き続き頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年2月4日 0時) (レス) id: ca8f5d0f58 (このIDを非表示/違反報告)
あめんぼ(プロフ) - 私がずっと探してた、やわらかい愛の詰まった作品だなと感じました。更新楽しみにしています。 (2019年2月4日 0時) (レス) id: ac0c3bd13b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kumatan | 作成日時:2019年1月25日 20時