48 ページ26
ゆ「A〜!これ見て!キャラクター飴!」
「可愛い!可愛い!ピカチュウがある〜、買っちゃおうかな〜」
キャラクター飴の屋台に湧く
4人で焼きそばやたこ焼きを食べて
屋台を一周見渡した頃
高台にある空は青紫色のグラデーションから
星の輝きの映える漆黒へ変化していく
…
花火まであと30分
ゆ「何かデザート探したいなぁ」
お祭りと言えば
かき氷にクレープ、鶏卵焼きにりんご飴
…をスルーして
私たちはついつい
可愛いキャラクターに走ってしまう
慣れない浴衣を着た為か
髪の毛をアップしてメイクをしている為か
いつもよりはしゃいでしまう
『すいませ〜ん、これとこれ、下さい…
お財布を出そうとすると
背後から伸びる大きな手
"はいっ、お兄ちゃんたち、まいどありっ"
ゆ「…廉、かっこいい」
れ「当たり前」
満面の笑みで笑うゆりを
満足そうな愛おしそうな瞳で見つめる
そんな二人のやり取りを見て
"お似合いな2人だなぁ"
心からそう思う
し「Aちゃん、ピカチュウ好きなの?」
私の受け取ったそれを見て彼が問う
「あっ、しょうくんこれ…
どうもありがとう」
"勿体無くて食べられなくなっちゃった"
彼を見上げる
廉くんと同じように満足そうに笑う彼
"どーいたしまして"
"でも食ってね?ピカチュウが浮かばれない笑"
…
いたずらそうに言う彼は今日も素敵で
さっきからすれ違う女の子達の視線が痛い
…
"あれ?しょうれんじゃない?"
"あれ、彼女かなぁ"
明らかに目立つ二人は
人混みの中でも"浮いている"存在で
いつかの校門での事を思い出す
…
それを察してか
し「Aちゃん、いこっ」
廉くんに目線をやれば
私の手を取り人混みを駆け出す
カランカランカラン…
下駄が音を立てる
"花火、ベスポジで見ようよ"
私の目の前には
50センチ先の未来を走る
愛しい彼の背中
ずっとこうして彼と同じ方向をむいて
未来に向けて歩みたい
…
「ゆりと廉くんはいいの?」
し「…あいつらもあんま会えてねぇからさ」
…
私たちが辿り着いたのは
人気のない境内
階段の埃をはらって
"ここ座って"
優しく彼が言うんだ
706人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏潤(プロフ) - わたしは表現の仕方は自由だと思うから、どんな形で表現してもいいと思う。わたしはこの作品がおもしろいと感じ、もっと読みたいって思いながら、次のページへのボタン押してます!いつもステキな作品ありがとうございます◎ (2019年2月9日 4時) (レス) id: 2b8e4fd199 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 嬉しいコメントに私も泣きそうになりました。評価が上がるようにこれからも頑張ろうと思います。ステキなコメントありがとうございます!! (2019年2月4日 7時) (レス) id: ca8f5d0f58 (このIDを非表示/違反報告)
くもり(プロフ) - 久しぶりに作品を見ながら泣いてしまいました、上の評価がありえないくらいにとても心温まるお話で主人公と紫耀くんのこれからがもっと見たくなりました。更新頑張ってください。 (2019年2月4日 2時) (レス) id: dd30b09f12 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - あめんぼさん» ありがとうございます、引き続き頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年2月4日 0時) (レス) id: ca8f5d0f58 (このIDを非表示/違反報告)
あめんぼ(プロフ) - 私がずっと探してた、やわらかい愛の詰まった作品だなと感じました。更新楽しみにしています。 (2019年2月4日 0時) (レス) id: ac0c3bd13b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kumatan | 作成日時:2019年1月25日 20時