27 ーsho side ページ2
"え？まきって、最近まで彼氏いなかった？"
"美人て得だよねー、大した努力もなくさ"
"実は男癖悪いんじゃない？"
…何も知らないくせに
何も知らないくせに軽口叩くなよ
もがいて苦しむ彼女を知っている
詳しいことはわからないけれど
彼女が一つ一つの選択を一生懸命しているのは知っている
"変わりたい"そう言って
何時間も携帯とにらめっこしている姿が目に浮かんで
怒りがこみ上げてくる
隣にいる廉が"お前キレんなよ"
視線も合わさず釘を刺してくるけど
だけどこれをどう収集したらいいのか
…
彼女が嫌がる事はしたくない
俺が声を荒げたら彼女は自分を責めるだろう
…
横に立つ彼女の細い肩が
少し震えていたから
頭が真っ白になって感情が口から漏れた
"そんな事言うなよ…
口から出たのはこの言葉
俺の腕をつかみ歩き出した彼女は
どこか泣き出しそうで
何でもっと気の利いた事が言えなかったのか
これで良かったのか
さっきから笑顔のない彼女をどうにか笑わせたくて
笑顔が見たくて
"ちょっと待ってて"
一人駆け出す
…
よく冷えた半透明に光る瓶を手に取ると
昔を思い出す
母子家庭のうちは
夏休みなんかは弟と二人で過ごすことが多くて
毎日駄菓子屋でラムネを買う
弟と二人、中のビー玉を取り出せば
コーヒーの空き瓶にそれを入れて
夏休みが終わる頃
母親の誕生日にはそれにリボンをかけてプレゼントした
帰宅すれば寝室で過ごす事の多かった母親は
枕元にそれを置いて
差し込む光に角度を変えて七色に光らせて
嬉しそうにそれを眺める
"早く大きくなるから"
"母さんを守れるように"
幼心にそんな事思っていた
あれから無意識にか避けてきたこの瓶を
また手に取ったのは
母さんが喜んでくれたように
彼女を笑顔にしたいと思ったから
大切な思い出とリンクさせる程
彼女の事が特別
…どんどん膨らむ想いを
今はまだ言葉で伝える事はできないけど
いつかちゃんと伝えたい
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杏潤(プロフ) - わたしは表現の仕方は自由だと思うから、どんな形で表現してもいいと思う。わたしはこの作品がおもしろいと感じ、もっと読みたいって思いながら、次のページへのボタン押してます！いつもステキな作品ありがとうございます◎ (2019年2月9日 4時) (
レス) id: 2b8e4fd199 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 嬉しいコメントに私も泣きそうになりました。評価が上がるようにこれからも頑張ろうと思います。ステキなコメントありがとうございます！！ (2019年2月4日 7時) (レス) id: ca8f5d0f58 (このIDを非表示/違反報告)
くもり(プロフ) - 久しぶりに作品を見ながら泣いてしまいました、上の評価がありえないくらいにとても心温まるお話で主人公と紫耀くんのこれからがもっと見たくなりました。更新頑張ってください。 (2019年2月4日 2時) (レス) id: dd30b09f12 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - あめんぼさん» ありがとうございます、引き続き頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年2月4日 0時) (レス) id: ca8f5d0f58 (このIDを非表示/違反報告)
あめんぼ(プロフ) - 私がずっと探してた、やわらかい愛の詰まった作品だなと感じました。更新楽しみにしています。 (2019年2月4日 0時) (レス) id: ac0c3bd13b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kumatan | 作成日時：2019年1月25日 20時
