殺人投票 2 〜逃げられない死〜

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驚いたのか、那須君は抱き締める腕の力を少しだけ緩めて


私の顔を覗いてきた。









那須君「なに言ってるの……？」




『私を殺して。

それで………那須君がゲームをクリアしてよ…。


それじゃ、ダメ…………？』









那須君「……ダメ……っていうか……



Aの記憶には無いみたいだけど…前にやったゲームでAは……


俺をかばって殺されたんだ。









だから………今度は俺がAを守りたい。」









………それで……あんなに動画の那須君は怒っていた…


悲しんでいたんだ。









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那須君「Aの記憶は……多分ゲームの犯人によって消されたんじゃないかと俺は思ってる。




何で俺は覚えていて、Aは忘れているのかは分からないけど……」



『………那須君は…前のゲームの犯人を知ってるの……？』









那須君「それが………犯人だけ分からないんだ。

犯人と喋ったはずなんだけど……。







犯人以外の人は覚えてる。






例えば…………







岸先輩とか。」









岸先輩…………そう言われて何かがピンと繋がった気がした。






あの記憶の中のペンダントをつけた人影は



岸先輩だったんだ…。









『岸先輩のペンダントのことをよく知ってたのも……』



那須君「…………うん、前のゲームの時に先輩が見せてくれたのを覚えてたから。



あの中に入っている写真の女の子は

“とっても大切な人なんだ”って。」









大切な人………だからペンダントを渡したとき、すごく嬉しそうにしていたんだ。









那須君「俺が知ってることは……これくらい……かな。」




『………一個聞きたいことがあるんだけど…』








那須君「うん…」









『そのゲームが終わってから、那須君は私に話しかけに来てくれてたの？』









聞いた途端

那須君の表情が強ばる。









『あっ………ごめん。

言いたくなければいいんだけど…』









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那須君「話しかけたよ。何回も……。

でも………Aは俺のこと少しも覚えてなかった。


それで、すぐ心が折れちゃって……(笑)

話しかけるの、、、やめたんだ。」









那須君の悲しそうな、切なそうな、寂しそうな表情を見てギュッと胸が締め付けられた。









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