【ナンバカ】愛を知らない少女の告げる想い (ページ6)

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みんな揃って帰るべし!!③ ページ6

「お前は法子とは毛色は違うがエルフに対抗できる存在だ。そのために俺はお前を手に入れようとしていた」

その言葉に私は彼の方に顔を向ける。悟空猿鬼は私の目を見ながら伝える。

「だが、俺達の役目は終わりお前を手に入れるの理由はない。お前の力は俺達が残したものを繋ぐ者達を守るために使え。それがお前の使命だ」

それは、そんなのは、一番私がわかっている。
だけど、だけど…！

「…なん、でよ……何で、あなた達のような人が死ななくちゃならない…!?」

それは私の叫びだった。ずっと吐き出さずにいた私の心の痛み。

「守りたいという気持ちは悪なの？正したいと思うのはダメなの？それを志す者は絶対に死ななくちゃいけないの？もしそれが運命だというのなら…そんな運命、クソくらえだ…!!」

涙をボロボロと流す私に、彼女は困った顔を浮かべて涙をぬぐい取る。
それを見ていた悟空猿鬼は言う。

「なら、その運命を壊せ」

突然の発言に私は目を丸くしながら悟空猿鬼に顔を向ける。

「その運命を防ぎたいと思うなら、それを壊せ。そしてもう二度と俺達のような存在を生み出すな。それもお前の使命だ」

こんなふざけた運命を壊す。ずっと目の前の約束を叶えることしか頭になかった私には目から鱗が落ちるようなものだった。
だけど、そうか。そういう手もあったのか。ああ、こんな簡単なことを思いつかないなんて私はなんて馬鹿だろう。
だけど。これで決まった。涙をパーカーの袖で拭き、私は二人に告げる。

「―――わかった。私はこんな運命を壊してやる。もう二度とあなた達のような存在を生まないようにしてみせる。そして、エルフ達をこの手でぶっ倒す。絶対に成し遂げてみせる」

貫くような視線で告げる私に、悟空猿鬼は満足したように言う。

「そうだ。それでいい」
「大丈夫です。貴女なら叶えられるはずです。私達はずっと応援しますから」
「……うん。私、あなた達に会えて、嬉しかった。ありがとう」

そう言って笑うと、二人は小さくだが笑みを浮かべた。