お詫びの品 ページ27
それは、事件から数日たったある日だ。
部屋でトランプをやっていた私達のところにハジメがやってきた。
「おいお前ら」
『！』
「猿から今回の件に巻き込んだわびの品だとよ」
「おお――!! マジで!?」
風呂敷に包まれた長方形の箱を見て、ウノのテンションが上がった。
「詫びの品ってことはそれ相応のモンだよなぁ！ なんたって俺達超がんばったし！」
「何々ー？ カンフー大全とか？ それともヌンチャクとかかなぁ」
「中華の詫びって言ったら食い物に決まってんだろ！ 肉まんか!? 春巻きか!?」
「鍛錬の5舎って言われてるし、何かのスポーツ用品とかじゃない？」
「待ってろ、今開けっから」
わくわくを隠せない三人にジューゴが箱の蓋を開ける。
中を覗き、入っていたものは――赤い芋ジャー。
これを着た私以外の四人の顔が劇画顔負けに歪んだ。
「なんでだよ!!」
「何で詫びの品が芋ジャーなんだよ!!」
「これはねーな…」
「でもいい生地だよ」
「あ、これ有名な大手スポーツ用品販売チェーンカンパニーの監修なんだ。ちょうど新しいのが欲しかったからラッキー」
「そうか、よかったな」
ウノとロックが詫びの品に抗議していると、ハジメは面倒臭そうに背中を向けた。
「少しは運動しろってよ。文句なら猿に言え」
「やぁ諸君、せっかく新しい運動着を頂いたのだ。是非私と一緒にトレーニングでもしようじゃないか！」
「「「「絶対イヤだ!!」」」」
私達と同じジャージを着た大和の言葉に、四人は即拒否した。
ちなみに、3舎は色違いで紫の芋ジャーが送られたらしい。
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作者名：いちご | 作成日時：2017年11月30日 17時
