【ナンバカ】愛を知らない少女の告げる想い (ページ22)

今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:22,733 hit

愛してる③ ― ジューゴside ― ページ22

マナからの告白は、初めてされた俺にとっては衝撃が強かった。
でも、ここはちゃんと返事を返さなくちゃいけないと思った。
だけど俺はバカだから中々いい言葉が見つからなくて、早く言わなくちゃと焦る気持ちが強くなる。
ぐちゃぐちゃになった頭を抱えていると、ふと岩の中での出来事を思い出した。

あの時、岩で閉じ込められた俺はエルフの口を押えていた俺の顔見て、あいつはくつくつと笑ってた。

『へぇ、お前がそんな顔するなんてな。まぁいいや、今日はこのまま消えてやるよ。だけど、一つだけ質問いいか？』
『なんだよ』
『お前、マナの奴をどう思ってんだ？』

それはかつてウノに訊かれた質問。その時の俺は曖昧な答えしか言えなかった。

『あいつはどんでもねぇ脳を持つ女だ。なんせ僕の支配すらも「知識」として奪おうとしたほどだ。そんな奴にお前は随分入れ込んでるが、正直なところどうなんだよ？もしかしてマジで好きなのか？』

ニヤニヤと笑うエルフを見て、俺はしばらく黙った。
あいつがこいつの支配を無効にしたなんて驚きだが、そんなの些細のことだと思う。
俺は何度もあいつに助けられた。何度もあいつに手を引っ張ってもらった。何度もあいつに世話になった。

それが当たり前になって受け入れていた自分は情けないと思ったし、今度は俺が守りたいと思った。
これ以上あいつが何かを背負い、無茶をする姿を見たくない。いつもみたいに笑って欲しい。
そんな気持ちが俺の胸の中を支配していた。

結局、エルフは俺の答えを聞かずに消えてしまったが、どうしてあいつにだけそう思っていたのかわからなかった俺の中で全ての謎が弾けた。

――俺は、マナが好きなんだ。いつも本ばかり読んでて、結構バイオレンスで、だけど面倒見が良くて優しいあいつが好きなんだ。

それが解けた今なら、伝えられる。俺の正直の気持ちを。