【ナンバカ】愛を知らない少女の告げる想い (ページ3)

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いつも通りまであと一歩② ページ3

「おい、どこ行く気だ」
「ちょっと聞きたいことがあんだよ」
「あ、ちょっと待ってよ」

全てが終わった様子を見ていた私達は、ジューゴが悟空猿鬼のいる方へ走っていく。
だが、体力がほとんどない状態で走っているため、途中で落ちてきた岩に当たりそうになったり、地面の石に足が辺りド派手にすっ転んだ。

「ほら、だから待ってって言ったのに」
「わ、悪ぃ…」
「やっぱり抱えてあげようか？」
「それは嫌だ！」
「だから何で!?」

往生際悪く私の提案を拒否するジューゴに怒鳴っていると、ハジメの声が飛んで来た。

「15番！ 7番！」
「「！」」

頭上にできた大きな影に気づいて見上げると、私達より倍はある岩が落ちてきた。

「ぎゃ―――――――――!!」
「ジューゴ！」

叫ぶジューゴの腕を引っ張って回避しようとした直後、岩は見事に粉砕された。
呆然としていると、懐かしい声が聞こえてきた。

「…ったく、相変わらず鈍臭ぇ奴だな。なんつー面してんだよ、ジューゴ、マナ」

札で操られた時のではない、いつものロックの姿を見てジューゴは目の縁に涙を浮かべる。
それに対して私はロックの脇腹に何度もパンチをお見舞いした。

「来るのが遅いわ！ふざけんなよバカモヒカン！」
「いって！仕方ねーだろ、俺だってさっき起きてここに来たんだよ！」
「嘘つけ！口に米粒ついてんだけど!? さては暢気にご飯食べてたな!?」
「え、あ、ヤベ、っていでででで悪かった、俺が悪かった！だからもう殴るなって！オイジューゴ、マナを止めろよ…ってオイ、何泣いてんだ」
「うっせー、泣いてねーわ!!」
「じゃあその鼻水どうにかしろよ」
「出てねーよ」
「あーもう、わかったからとりあえず顔から出る塩水的なもんどうにかしろって」
「ほら、これで拭きなさいよ」

泣いているジューゴにパーカーの裾を破ったものを渡していると、近くにいた九十九が私達の様子を見て微笑んでいた。