収容理由大暴露 ニコ&ロック編 ― No side ― ページ41
「囚人番号25番(男)、国籍アメリカ。スラム街でドラッグのバイヤーをしていた所を逮捕並びに保護。本人はドラッグの自覚はなく、ただ『足』して使われていたため実刑は軽いものでしたが、薬 物影響の検査をしたところ食物アレルギーや未知の病気が発見され、医療少年院に収容されました」
「何故奴は脱獄をしたのだ? 実刑は軽かったのだったのだろ?」
「わかったぞ! 医療少年院で検査を受ける内に、何らかの何らかによるなんやかんやで25番は底知れぬパワーに目覚め、暴走して脱獄したんだろ!!」
「『注射』と『薬』が嫌で脱獄したそうです」
ハジメが告げるは百式と猿門は文字通りひっくり返った。だがそんなリアクションを取ってしまう気持ちはわかる。
「はぁあ!? 小学生か!?」
「どこの刑務所に収監しても、治療日が近づくと牢獄をぶち破り脱獄していたそうです」
「あのガキのどこにそんな力が…」
「ただしこの南波刑務所では注射を使わず薬も25番の好みの味なので、今では治療と投薬の時間が一番の楽しみだそうです」
「ある意味ドラッグ野郎じゃねぇか…」
「なるほど…それで今は脱獄を図っていないと…」
「はい」
「たしかに書きにくい内容だ…」
痛そうに頭を押さえる百式には悪いが、こんなのはまだ序の口だ。
「では次に囚人番号69番(男)。国籍アメリカ。街中のギャングと暴動を起こし中等少年院に収容。奴もまた明確な理由から脱獄をしています」
「その理由とは?」
「ギャング同士の暴走! 巻き込まれた親友の仇を討つためだな!! 熱き心で脱獄したと言うんだな!」
「収容された少年院のメシがまずかったからだ」
その告げるとまた二人はひっくり返った。
「入った刑務所でことごとくメシがマズイと脱獄を重ねてきたそうです。今ではここの食事をいたく気に入っており、暴れなくなりました。日本食にハマっているそうです」
((単純思考って恐ろしいな…))
まったくその通りである。
「二人共そんな理由で数々のムショを脱獄してきたってのか!? もう技術とかの問題じゃねーっての!! ただのわがままじゃねーか!! アホか!!」
「だから言っただろ、ただのクソガキだって。それでは次」
変わらない態度で報告書を読み始めるハジメに二人は共通の思いを抱いた。
((嫌な予感しかしないなぁ…))
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作者名:いちご | 作成日時:2017年9月19日 17時