だからてめぇらは餓鬼なんだ�� − No side − ページ36
「主任、本日の報告書をお持ちしました。確認お願いします」
「はぁ…」
喫煙所に訪れた星太郎はいつもそこにいるハジメに書類を渡そうとするが、彼は重いため息を吐いていた。
「主任大丈夫ですか？ まぁ…理由はなんとなく察しますが…」
「ああそうだよ…。
問題児の多い13舎の中では一番の問題児が集まっている房だ。
これが他の看守がやったら確実にストレスが原因で辞職する羽目になるに違いないだろう。
「『看守長』にもしこんなバイオレンスな脱獄日常がバレたら僕達どうなっちゃうんでしょうか…。やっぱりクビですかね…」
「やめろ、それ以上言うな…。そのために毎日必死なんだろうが、俺が」
「まったくだぜ、こっちだって必死になるってもんよ」
「だよねー」
突然現れた脱獄常習犯であるジューゴとマナの登場にハジメと星太郎はずっこける。
「何故いる!?」
「いやヒマでさ」
「いつも通り付き添い」
「俺の悩み聞いてた!? 胃が痛いの!!」
「れ…連絡は…」
「やめろ!! しなくていい今捕まえたから！」
「あぁ!! しまったぁ！」
「用意いいねー」
「わざとらしんだよ！ 本気で遊びにきやがったなてめぇら!!」
鮮やかな色をした手錠をかけられたジューゴとマナ。
だがそれはただの遊びであるとハジメは気づいていた。
「とりあえず星太郎!! お前は他に13房の連中が脱獄してないか見てこい!! こいつらは俺が見張っておく！」
「は、はい!!」
慌てた様子で星太郎の背中を見送ると、ハジメは報告書を取り出し書き始める。
「とりあえず図書室か何かに連れて行ったてことで報告書には書いておくか…。ったく…いつまでこの手が通じるやら…」
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作者名：いちご | 作成日時：2017年9月19日 17時
