【ナンバカ】愛を知らない少女は問題囚人 (ページ24)

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やっぱ俺らがやるしかねぇ…① ページ24

「主任～～!! 助けて下さい～～!!」
「ハジメ!! 星太郎をどうにかして！」

うわ――んっと泣くのは、13舎看守の七夕星太郎。ここの看守の中では一番下っ端だ。
そんな彼を引っ張りながら私は看守室へ足を向けていた。

「なんだよ星太郎、7番、朝っぱらから…。こっちは病み上がりでまだ本調子じゃねーんだぞ」
「すいませんっ。でも主任が休みの間、こっちも大変だったんですよ～～～！」
「っていうかハジメも普通に風邪とか引くんだね」
「うるせぇ!!」

なんか病気の方がお断りしそうなイメージだったからなぁ。ある意味新発見だ。

「それより聞いてくださいよ！ 7番さん以外の13房の奴ら、副主任の訓練を嫌がって嫌がってストレス発散なのか毎日の脱獄がよりエスカレートしてしまって、もう逃げ回るわ物は壊すわ僕に八つ当たりしてくるわ、もう散々で…！」
「しかもそれを大和は元気がいいとか言って笑ってる始末だね」

おかげで囚人であるはずの私も彼らの脱獄を阻止する羽目になった。
今回の件でハジメがどれだけ必要な存在なのか身をもって改めて知った。

「大和の奴はともかく、お前も13舎の看守なんだからもっと堂々としてりゃいーんだよ。ビシッと言ってやれ！」
「そ…そんなこと言われても、7番さん以外は僕の言う事一切聞いてくれないんですよ…」
「だったらぶん殴ってでも言うこと聞かせろ」
「鉄拳制裁!?」
「いやいや、普通はダメだから！そんな真似できるのハジメだけだからね!?」

鉄拳制裁なんて泣き虫な星太郎には荷が重すぎる。
そんなのハジメだからこそできるのだ。

「そうですよ！あいつらにそんなことできるの主任だけですよ!! ケンカとか苦手ですもん！だって僕が見回りに行くとスゴイ形相で睨んでくるし、部屋にあるものを投げつけてくるんですよ!! 『イケメン死ね！』って言いながら！特に15番と11番!!」

ジューゴは知らないけどたしかにウノはイケメン嫌いだ。
いつもいつもゴミを投げつける彼らを私が仲裁するのはお決まりになっている。
泣き続ける星太郎を見かねたのか、ハジメはふぅっと息を吐く。

「じゃあ仕方ねぇ、俺と7番があいつらの扱い方ってのを教えてやる。どうせゆくゆくはお前も担当する舎房だからな」
「このままじゃかわいそうだし、私は別にいいよ」
「ほ、ホントですか!? 是非教えて下さい!!」

私達の言葉に星太郎はまるで神の信託を訊いた信者のような輝かしい顔になった。