【ナンバカ】愛を知らない少女は問題囚人 (ページ17)

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オンナがきた!!③ ページ17

「ハジメ、お前彼女いないんじゃなかったのかよ!!」
「話をそらすな!!」
「彼女…？いやそれはないだろ」
「ハジメだし」
「何とも言えないよねぇ」
「てめぇらぁ…」

好き勝手に言う彼らにハジメは怒りの表情で拳を握る。
対して私は面会相手の『違和感』に気づき、それがまだ気づいていないジューゴ達に笑いを堪えるのに必死だった。
そうしていると面会相手は可愛らしく首を傾げる。

「お兄ちゃん、この人達は？」
「「「「「…お兄ちゃん？」」」」」

まさかの単語に目をぱちくりしてオウム返しする私達。面会相手は純粋な瞳でハジメに問いかける。

「お友達なの？」
「んなワケあるか!!」

と、友達って…看守が囚人と友達なんて色々と問題があるだろう。
するとその人はパアアアアア、と綺麗な笑みを私達に向ける。

それは女の私でも思わず照れてしまうものだった。

「皆さん、お兄ちゃんをよろしくね」
「「「「「は…はい…」」」」」

未だニコニコと笑みを浮かべるその人を見ながら、ジューゴ達はハジメに感想を述べる。

「んだよハジメ。妹がいるなら最初に言えな」
「そうだそうだ、紹介しろお兄タマ！」
「あのお洋服可愛い～」
「なかなかの上玉だった…」

まだ気づいていない四人に私は目を瞑って黙り込むハジメに声をかける。

「ねぇ、ハジメ。そろそろ本当のこと言ったら？私これ以上堪えられない…」
「……ああ、やっぱてめぇは気づいたか」

プルプルと震える私と妙に納得した様子を見せるハジメに四人が首を傾げると、彼は重々しい口調で告げる。

「…弟だ」
「「「「え"？」」」」
「俺の弟だ！」
「双六仁志です♡」

そう笑顔で告げたその人――双六仁志(男)に、四人は信じられなさそうに叫んだ。

「「「「うそぉおおお!!」」」」
「あっははははは！気づくの遅いよー！もうお腹痛い！」
「マナ!! お前さては知ってたな!?」
「え？うん、服で誤魔化してるけど女にしては骨格が変だったから。いつ気付くんだろうと思ってたけど、まさか最後まで気づかないなんて…あははははっ！」
「だぁー!! 笑うんじゃねぇー!!」

ウノは泣き叫びながらガクガク肩を揺らしてくるも、私は窒息死寸前まで笑い続けた。