６ ページ7
.
「亮先輩！あの、次の土曜日なんですけどっ」
「…………はあ」
「もしお暇でしたら、映画とかいっしょに……」
結局、おそらく後輩であろうと思われる女の話に適当な相槌を打って、その場を乗り切った。
だからおれ、女の顔は覚えへん主義なんやって。
ラーメンを啜りながら、スマホの画面を幾つか触り、先ほどの女の連絡先の有無をたしかめる。
正直、好みの系統ではなかったし、もれなく今回もさっぱり記憶にないのだけれど。
「あーあ。亮ちんまた覚えてないんやろ〜」
正面でトンカツ定食を食べる丸がへらへら笑いながら、相変わらずの色男ぶりですねぇ、と。
「あの子、この前のクラブでいっしょやった子やん？で、その後亮ちんがお持ち帰りしたん」
「は？なんでオマエが知ってるん」
「亮ちんが無理くり付き合わせたんやないかーい！まったく、僕のことも忘れてるなんて……」
まるちゃん哀しーい！とか叫んでいるが、無視。
まあ、おれがベロッベロやったんやろうけど……呑んだら呑むだけ呑んでまうから、これ、たぶんおれの悪い癖。
ようやく見つけた先ほどの女の連絡先を指先で削除しつつ、焼豚にかぶりつく。
今日はこれといった予定が無い。
午後からはサークルに顔を出すつもりだけど、夜は章ちゃんも大倉もバイトだった。
「まる、今日暇？」
「あかんで。今日はミナコちゃんとデートやから」
出た、ミナコちゃん。
目の前でくふくふ笑っている丸には高校時代から交際している彼女がいて(王道清楚な巨乳美女)、大学が別になった今でも毎週のように逢瀬を重ねている。
……とかなんとか言うて。
ほんまはオマエが浮気しとること、おれ、知ってんねんで______________なんて、言わへんけど。
「あ〜、夜がたのしみやなぁ」
ごちそうさま、と手を合わせて、そんなふうにつぶやいた丸の目が一瞬残酷に光ったことを、おれは見逃さなかった。
……会うの、ミナコちゃんじゃないんやろ？
まあ、おれには関係のないことやけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
べに(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツさーん！ありがとうございます！うれしいです！がんがん進めていきます笑 明るくない話ですが楽しんでいただけるようがんばりますね！^ ^ (2018年2月1日 11時) (
レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさん！待ってました！！新作の世界観に、はぁもうまたため息…やっぱり好きです！！続きを楽しみにしています！ (2018年2月1日 1時) (レス) id: d0c3580366 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べに
| 作成日時：2018年1月31日 16時
