１- orange - 軋轢 ページ15
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『それでね、みんなで写真撮ろうよってなって』
「そっか〜。久しぶりに会えたみたいでよかったなぁ」
『うん！おしゃべりが尽きなかったの！』
「ふふ、よっぽどたのしかったんやね」
時刻は正午過ぎ。
窓に寄りかかれば、眼下の街は平凡な日曜日の色を映し出す。
電話の向こう側ではしゃぐ彼女の声は、市内の高層マンションの一室に響きわたる。
スピーカーモードのため、両手が空いた状態で通話ができる。
俺は左手を伸ばし、視界の隅で揺れ動く頭をそっと撫でた。
手のひらに、やわらかい髪の感触。
『あっ、もうこんな時間だ……』
「バイトやっけ？ほな、また夜にでも電話して？」
見上げてくるひとみに背筋が粟立つ。
『じゃあいってきます。またね』
「おん、頑張ってな。ばいばい」
スマホを放り投げ、床に落ちていた鎖を引くと、白い顔が持ち上がる。
その紅い唇に、キス。
頬を撫でたら、今度は首筋に。
今頃、大倉と亮ちゃんはいっしょにスイーツでも食べて、章ちゃんはバイトに勤しんでいるのだろうか。
まぶしい午後の日差し、ふと真昼間からこんなことをしているという事実に背徳感がふくらんで、思わず笑みがこぼれた。
「……丸山くん？」
そんな俺を見上げる____________翳たひとみ。
「A」
再び鎖を引けば、その顔がわずかに歪む。
ああ、きれいや。
こんな瞬間は_______こんな瞬間にだけ_______しんだ母親、蒸発した父親、そして残された俺を善意で引き取ってくれた独身の叔父に、心から感謝しようと思える。
「もーちょっと遊ぼっかあ」
俺に与えられたのは、
金と、
時間と、
それをたのしむ手段
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べに(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツさーん！ありがとうございます！うれしいです！がんがん進めていきます笑 明るくない話ですが楽しんでいただけるようがんばりますね！^ ^ (2018年2月1日 11時) (
レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさん！待ってました！！新作の世界観に、はぁもうまたため息…やっぱり好きです！！続きを楽しみにしています！ (2018年2月1日 1時) (レス) id: d0c3580366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2018年1月31日 16時
