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そんな記憶は、三年経った今でもはっきり残っている。
赤の他人に優しい人なんているんだな、と初めて思った出来事。
あれからお礼をしようとコンビニを何度訪れても彼はいなかった。
でも結局あの日から毎日そのコンビニに通いつめて、高校を卒業するまでずっとそうしていた。
大学二年になった今はもう引っ越して、大学に近いアパートで一人暮らしを始めた。
だからもう、あのコンビニには行っていない。
…もう、彼の顔もちゃんと思い出せなくなってしまった。
バイト先を探していて、道端のチラシが目につく。
『コンビニバイト、か…』
オフィス街にあるコンビニ。
平日の、授業を取っていない数時間だけ働いてみようと思った。
それから面接もすんなり通り、あっという間にバイトが始まった。
朝はスーツを着たサラリーマンや着飾ったOLが結構コンビニに来ていて、思っていたより忙しかった。
バイトも始めてから三週間経ち、常連客の顔も覚えてきた頃。
今ちょうどレジでお釣りを渡している、黒ぶち眼鏡のサラリーマンらしき人が、小銭を財布に戻すときに手を滑らせた。
チャリンと小銭が大量に落ちた音がする。
「あ、」
慌てて私も拾うのを手伝って、拾った分を手渡した。
『どうぞ』
「すみません、ありがとうございます」
下から見た彼の顔に、どこか見覚えがあった。
…あ！
『あの…もしかして、』
「はい、？」
『昔、私に水、奢ってくださった方…ですか？』
恐る恐るそう聞くと、彼はきょとんとした顔のままだった。
どうやら人違いだったよう。
…うわ、恥ずかしい。
『いえ、すみません！人違いでした…』
「いえいえ」
声も、そうだと思ったのに。
彼ではないのだろうか。
覚えていないだけなのだろうか。
体調悪そうな知らない人に水を奢ったなんて、あの彼のような優しい人からしたら、いちいち覚えておく程のことではないのかもしれない。
何故か勝手に悲しくなって、傷ついて、何でもないふりをする。
そんな風に思っている自分が不思議だった。
「……」
彼が私を見つめていたのには、気づかなかった。
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麦(プロフ) - 游さん» ありがとうございます〜！今回の更新もかなり日が空いてしまってすみません…。感想もいただけてとっても嬉しいです！更新は、どうか気長にお待ちください！(*´∀`) (2021年12月23日 8時) (
レス) id: c17c33a14a (このIDを非表示/違反報告)
游 - こんばんは(*^^*) 夜分遅くにすみません｡｡｡ かなりお久しぶりです。 更新ありがとうございます。 物語読みました。 続きが気になります。更新待ってますね。 (2021年12月14日 0時) (レス) @page35 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 游さん» ありがとうございます！ご指摘の部分は全て修正したと思います！苗字の表記の所、単純に私のミスでした…すみません。タイトルの「再開」はわざとで、「再会」との掛詞です！紛らわしくて申し訳ないです…。ご丁寧にありがとうございました！更新も頑張ります(*´∀`) (2021年8月11日 21時) (レス) id: c17c33a14a (このIDを非表示/違反報告)
游 - 物語短編で読みやすかったので一気に読んじゃいました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2021年8月11日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游 - 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 ○ページ23のここの部分 「(名字)」とここの部分 名字)に話しかける口実が欲しくて、授業では寝たふりをして彼女を見ていた。 これも名字が無くて名字表記なのですが｡｡｡ (2021年8月11日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2021年4月11日 21時
