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prologue ページ1
目の前の恐ろしい光景に言葉が喉に詰まった。
煌びやかなパーティー会場が一瞬にして悪魔の居城に早変わりしてしまったかのような。
さっきまで僕に微笑みかけてくれた麗しい令嬢。
さっきまで僕と談笑していたはずの優しい紳士。
さっきまで僕に飲み物を勧めてくれた気の利く使用人。
その全てが、僕の目の前で音一つ立てなくなった。
「……」
誰も居なくなったフロアで、僕も彼らと同じように息を潜める。
カーペットの上を歩く僕の足音だけが、この静寂を証明するたった一つの旋律だった。
パーティー会場のちょうど中央。
四方八方の恐ろしく、それでいて美しい光景に思わず目を背けたくなる。
けれど、これは紛うことなき現実だ。
貴婦人達の歓談の声も。
楽団の美しいオーケストラ演奏も。
主催の得意げな挨拶の声も。
華麗な装飾や調度品達も。
その全ての時間を止めてしまったのだ。
──この僕の手によって。
その翌日、僕に【招待状】が届いた。
──【Happily ever After…？】
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作者名：天凪 | 作成日時：2022年6月21日 23時
