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君とサヨナラ ページ48

俺が慧のヒーローだなんて。


信じられなかった。


それにそんなたった1回の出来事より俺はもっと多く君に助けてもらっている。


返しきれないくらいに。



「そんなこと、言わないで。大貴は生きるんだ。」



慧は強い口調でそう言った。


嫌だよ。


慧がいなきゃ、俺駄目なんだ。


もう君の優しい声を聞かなきゃ俺は生きていけない体になってしまったんだよ。


だから、置いていかないで。


慧が命をかけて助けてくれたのは頭では理解しているのに。


涙は止まらないし、心は追いつかなかった。




だけど、無力な俺は大好きな君の願いに頷くしか選択肢はない。




「、、、そろそろバイバイだ。大貴。」



慧は安心したように俺と繋いでいた手の力を緩め、そう言った。



バイバイなんて言わないでよ。


そう言おうと思ったのに嗚咽が漏れるばかりで口にできなかった。


そんな俺の頬を暖かい手が触れ、涙が拭われる。


その後、力強く抱きしめられた。



「ごめんね。大貴。」



すぐ耳元で、大好きな大好きな声が聞こえる。


謝るのは俺の方なのに。



「ずっと、ずっと愛してるよ。大貴。」



腕が俺の頭の後ろに回され、さらにぎゅーっと強く抱きしめられながら慧はそう言った。


俺もここで言わなきゃ、後悔する。


そう思って頑張って嗚咽を飲み込み、答える。



「ありがとう。慧。」




「俺もずっとずっと愛してる。」






俺の肩に乗せられていた慧の顎がふわっと持ち上がって微笑んでくれた気がした。











しかし、次の瞬間そのぬくもりは消えた。




「慧、?」



ぎゅっと抱きしめるが、自分の腕が自分の体に巻き付くだけだった。



「慧、けい、けぃ、、、、」



暗闇の中でぺたぺたと椅子の上を触っていくが、どこまでも冷たいざらざらとした材質が触れるだけで確かにそこにいたはずの君に触れることは出来なかった。







「慧、けい、けい!!!!!」










ただ俺の君を呼ぶ声が花火の音にかき消されていくのみだった。

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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年3月3日 20時

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