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「やめなよ。」





そう、凛とした声が頭上から聞こえた。


いじめっ子の足の間からおそるおそる声のするほうを覗くと、1本の杖を握りしめた男の子がいた。


「お前、なんだよ。」

「杖持ってるとかおじいちゃんみたい」


そんな失礼な言葉の数々にも男の子はひるむことなく、ただ一言だけもう一度言った。


「やめなよ。」


いじめっ子たちは段々そんな勇気ある男の子に恐怖を感じたんだろうね。


あっという間に走ってどこかに行っちゃった。


だから、そこには俺と男の子だけが残された。


男の子はすっとしゃがんで、まるで地べたの場所を確かめるように俺の方に向かって地面を触っていくんだ。


俺は全身が痛くて、その様子を地面にうつ伏せになりながらじっと見ていた。


暫くしてその子の暖かい手が俺の手に触れた。


その子は俺の手を見つけた瞬間嬉しそうに微笑み、ぎゅっと握って言ったんだ。





「大丈夫?」





その声とぬくもりは俺の絶望で満たされていた心をすうっと溶かしていった。


だけど、それと同時にやっと気づいたんだ。


その子の目が見えてないこと。

俺と目線が合わなかったから。


俺はそのことにびっくりしてただ手を握ってもらうことしか出来なかった。


だけどこれじゃ駄目だって思って言ったの。


「ありがとう助けてくれて。」


そしたらその子は軽く首を振って言うんだ。


「僕は何もしてないよ」って。


その姿がすごくかっこよくってさ。


ヒーローだ。って心の底から思った。

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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年3月3日 20時

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