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その後、うるうると大貴の目に涙が溜まっていくのがわかった。
どうしていいかわからなくて、それにそんな表情を見たくなくて、とりあえず手をぎゅっと握る。
しかし、俺のその行為がスイッチになったかのように大貴の両目から次々と涙が零れていく。
涙を必死に堪えようと大貴は唇を噛み締めるが、暫くして諦めたようだった。
再び口を開く。
「なんで、慧は、こんな、俺のために、そこまでしてくれる、の?」
嗚咽とともに紡がれる言葉に思わず息を飲む。
なんのため?
それは俺にとって大貴が全てだから。
そして何より
「大貴が、俺のヒーローだからだよ。」
君には見えないけれど、渾身の笑みを浮かべる。
大貴は一瞬固まり、困惑したように首を傾げる。
「ヒー、ロー?」
、、、、、この話もするつもりじゃなかったんだけど。
最後だし、全部君に打ち明けよう。
俺と君が初めて出会った時のこと。
君が俺を助けてくれた時のこと。
「大貴は、俺のヒーローなんだよ。」
大貴に言い聞かせるように呟きながら再び過去に意識を飛ばした。
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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年3月3日 20時