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裕翔が幼い頃から俺を慕ってくれているのはよくわかっているが、俺は裕翔が言うほど立派な人間じゃない。
裕翔の方がよほど親父のような頭の硬い人間と俺のような捻くれ者を繋いでくれる素敵で心優しい人間だ。
ごしごしと目を拭う裕翔に心の中で語り掛ける。
、、、、、それにね裕翔。
もう、手遅れなんだ。
俺は自分の未来を捧げた。
だから跡を継ぐことは出来ない。
裕翔には申し訳ないと思うけど、俺はこの選択にひとつも後悔していない。
それにきっと裕翔なら、親父の跡をしっかりと継げるよ。
どんどん赤くなっていく目を擦り続ける裕翔を抱きしめる。
「はぅっ」
裕翔の涙が俺の肩を濡らしていくのがわかる。
、、、大きくなったなあ。
もう、20歳だもんね。
裕翔とお酒呑みたかったな。
大学も頑張れよ。
いろいろ言いたいことは思い浮かんだけど、どれも口にできなかった。
こんなに弟を泣かせるだめだめなお兄ちゃんの俺に、そんなこと言う資格ないから。
「ごめんなあ。裕翔。」
抱きしめたまま、絞り出すようにそう言えば裕翔のしゃくり上げる声が一段と大きくなった気がした。
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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年3月3日 20時