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上質そうなコートの肩を濡らして寒そうな弟が複雑な表情を浮かべていた。




「裕翔。」




数秒、半年ぶりに会った弟と視線を交じ合わせる


全く。

この目に俺、結構弱いんだよなあ。



「こんな大雨の時によく来たね。めちゃ濡れてるじゃん。入りなよ。」


とりあえずリビングへ通す。

裕翔にソファに座るように促しながら洗面所のタオルを取りに行こうとした時。


背後から声をかけられる。



「兄さん、その足。どうしたの?」


。。。。

やっぱり気づかれちゃうよなあ。

いかにも、って感じだもんね。

なんて答えれば良いものか頭をフル回転させながら振り向く。



「病院の階段から落ちた。」



結局適当に理由付けをした。

途端に心配そうな表情に変わり何か口を開こうとする裕翔に気付かないふりをして、洗面所へ逃げる。

俺はいつも逃げてばかりだ。

わかっているけれど、やっぱり、話したくないなあ。

憂鬱な気持ちになりながらも鏡を見て無理やり笑顔を作り、リビングへ戻る。

はい。と裕翔にタオルを手渡しながらその向かいに座った。

裕翔はまた何かを言いたそうな顔をしていたがそれを遮るように言葉を発する。


「親父に言われて来たの?」


裕翔は一瞬目を見開き、躊躇うように少し頷いた。

、、、やっぱりな。

自然とため息が漏れる。



「父さんが『慧、そろそろ家に戻ってきなさい。』だって。」



そう裕翔が父の口調とまるっきり同じように話すもんだから、可笑しいような。

久しぶりに聞いたその高圧的な言い方に疲弊してしまうような。

また大きくはあ。とため息が出る。

●→←俺とオトウト



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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年3月3日 20時

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