エンジェル・パラドックス【inar】

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早速次の日に俺は1回目のタイムリープをした。


善は急げ。って言うもんね。


ここからは大貴の知っている通りだよ。


本当は君を線路に落とすつもりはなかったんだけど間一髪で間に合わなくてね。


一緒に落ちちゃった。


格好悪いことにさあ、その時腰を強く打っちゃって、右足と左手を怪我しちゃったの。



おどけたように俺がそう言えば、大貴は無言でまだ握ったままの俺の左手をぎゅっとより強く握りしめ、唇を噛んだ。


そんな、表情しなくていいのに。


そう言いたかったけれど、とりあえず話を続けることにする。



あ、そう言えば病院で大貴が「そこにいるのは誰？」って聞いたでしょ。


あそこにいたのは俺。


怖がられさせちゃってごめんね。


本当は君の無事を確認したらすぐに現代に戻るつもりだったんだけど、久しぶりにさ。


君の声が聞けて嬉しくて。


ついつい長居しちゃった。


あの時はごめんね。



こうして、1回目のタイムリープは終わった。


俺の最大の目的も成し遂げられた。


嬉しくて嬉しくてたまらなかったよ。


嬉しすぎて現代に戻ったあと死神とハイタッチまでしちゃったんだから笑



2回目のタイムリープはそうだなあ。


君がチャラい人たちに絡まれてた時。


どうせタイムリープするなら君を守るために使いたいじゃん？


1回目のタイムリープをしてから、君が助けを求めてるってなんかこう、感覚的にさ、わかるようになったんだ！


便利な能力だよね。


テレパシーみたいな感じでビビッと来るの。


だけどあの時は本当に腹たったな。


アイツらの汚い手で大貴を触ってさ。


大貴は本当に可愛い顔してるんだから、これからもっと気をつけるんだよ？


人通りの少ないところは歩かないで絶対。


いい？



俺がそう確認すれば、大貴はゆらゆらと視線をさ迷わせながら小さく頷いた。


暗い話でごめんね。


じゃあ、１回少し楽しかった話を挟もうかな。

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