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「貴方誰なんですか?」


震える声で君がそう聞いてくる。


と、同時に君の背後で花火が上がった。


君は急に聞こえてきたその音にびくりとする。


そんな花火の逆光で君の表情はよく見えない。


だからどんな意図でそう聞いてきたのかも分からない。



「大貴、急にどうした?俺、伊野尾慧だけど。」



とりあえずそう言ってみる。


動揺で手が震えそうになるのを必死に抑えながらいつもの調子で。



「貴方は慧だけど、慧じゃない。」



一見なぞなぞみたいなその言葉。


何を馬鹿なこと言ってるの?


そう笑い飛ばせばいいのに、言葉が出てこない。



「とりあえず、今日俺を家まで迎えに来てくれた慧とは別人なことは確かだ。」



大貴は強い意志を感じさせる声でそう続けた。



「なんで、そう思うの?」


なんとか声を絞り出すようにそう言う。



「絆創膏。」



大貴のその一言で、咄嗟に自分が今大貴と繋いでいる手を見てしまいそうになる。



「絆創膏がどうしたの、?」



「俺がさっきまで一緒に居た慧は絆創膏をつけていなかった。」



なんだ、そんなことで。



そんなの、さっき君から離れた瞬間に怪我したんだよ。



そう口を開こうとした瞬間、大貴はそれを遮るように言葉を続ける。



「俺と離れた後、怪我して絆創膏を貼ったって?」



まるで俺の心の中を読んだような言葉に反射的に体がぴくんとなる。



「そんなことできるはずないんだよ。」






「慧は、最後の絆創膏を俺のために使ったから。」

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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年3月3日 20時

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