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困っている人を放っておけない慧の性格は十分理解しているし、俺なんかより呼吸がおかしいという女性の方が一刻を争うに決まっている。
「、、、ごめん。ちょっと行ってくる。気をつけてね?大貴。落ち着いたら電話する。」
「うん。慧こそね」
俺がそう言った瞬間、慧のぬくもりが俺から離れる。
「すいません、通してください」
慧のそんな声も徐々に遠ざかっていく。
途端に、ぎゅうぎゅうと押され初め戸惑うがぎゅっと白状を握りしめ、歩き始める。
が、そんな考えは甘かった。
白状を伸ばす余裕もないのだ。
ひたすらに人の波に押されていくだけ。
ざわざわざわざわ
人の声と汗の匂い。
慧にはあんな強がって言っちゃったけれど正直怖い。
とても怖い。
なすすべもなく、しばらく波に流されていると
突然。
すぐ側にいたはずの人の体温が無くなる。
あ。
そう思った時には遅くて誰かの足につまづきバタっとみっともなく倒れてしまう。
手のひらにぐさりとささる白状の先端。
そして膝やもう一方の手のひらにダイレクトに伝わる細かい砂利。
最悪だ。
急に人が居なくなるなんて想像もしていなかったし。
自分に言い訳しながら立ち上がろうとした時。
「ほんと、邪魔ねえ。」
「ただでさえ窮屈なのに、転ばれるとか超迷惑なんですけど。」
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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年3月3日 20時