君とハナビ ページ17
財布も、スマホも持った。
肩からかけているミニバックの中を触りながら確認する。
大丈夫。
忘れ物はないはず。
そう思って玄関の扉に手をかけようとした時。
母の声が聞こえる。
「大貴ー？ちゃんとお兄ちゃんに挨拶してから行きなさいよー」
「わかってるって」
慌てて靴棚の上をぺたぺた触っていけば手に写真立てが触れる。
その写真の中では俺が4歳の時に交通事故で亡くなった7歳上の兄が笑っているはずだ。
よくドラマとかであるボールを追いかけて車道に飛び出しちゃった小さい子をリアルで庇った本当に優しい兄。
お兄ちゃんの記憶はほとんどないけれど一つだけ印象に残っている言葉がある。
それは『泣かないで、大貴。お兄ちゃんが何とかしてあげるから。』
泣き虫だった俺によく言ってくれたんだけど、改めて思い出すと、俺に甘いなって思うよね。笑
お兄ちゃんがよく公園に連れていってくれたんだけど、俺は音で感じとれない予測不可能な同年代の子たちの行動が怖くて、全然仲間に入れなかったの。
だから必然的にブランコとか滑り台とか、人気の遊具は使えなくて。
いつも砂場の隅で泣きながら1人で小山を作っていた。
そんな俺をお兄ちゃんはしばらく見守っててくれるんだけど必ず最後は痺れを切らして、この言葉を言ってくれたの。
『泣かないで、大貴。お兄ちゃんが何とかしてあげるから。』って。
それでそれから俺の手を引っ張っていって、お兄ちゃんも人見知りなくせに『この子も乗らせてあげて』って子供たちに言ってくれてさ。
それをだんだん繰り返していくうちに、俺も自分で声をかけることができるようになった
そうやってお兄ちゃんに頼らなかった日はあったかい手で俺の頭をぐしゃって撫でて『頑張ったね大貴』って褒めてくれたんだよね。
その声のトーンとぬくもり大好きだったなあ。
今は、、、、天国で元気にしてるかな。
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ちゃん(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございました。普通にミスです、すみませんでした、、 (3月7日 23時) (
レス) id: 596977d8b6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグが立ってます.. 二次創作なのでオリジナルフラグは消した方がいいと思われます.. (3月5日 2時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 20時
