エンジェル・パラドックス【inar】

ヒトリゴト ページ1

例えば夢見ることがある


困っている人を助けるヒーローである自分


例えば夢見ることがある


君と視線を合わせて会話出来る自分




「諦めたらそこで試合終了だ」なんて言葉をよく聞くけれど、俺の場合、この夢を叶えるために自分でどうにかなるものじゃない。



俺は眼が見えないんだから。



生まれつき。



だから例えばこの眼が事故とか病気のせいによるものだったとしたらタイムリープをすればどうにかなるかもしれないけれど、生まれつきなものはもう何もしようがないよね。



、、、、、そもそもタイムリープできるなんて前提条件が可笑しいって？



はははは



俺もそう思うよ





まあとにかくね、俺だって誰かのヒーローになりたかったさ。


だけど俺はこの眼のせいで、いつもヒーローに助けられるモブ役。





可哀想？


いやいや同情はしなくていいよ


なんかこんな未練たらたらな感じで喋るから、語弊を産んじゃったね。


ごめん。




俺は人生楽しいよ


だって俺の周りには助けてくれる優しい人、ヒーローが沢山いたから。


だからほとんど不便は感じない


ヒーローたちには感謝している。本当に。

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