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バックミラー越しに俺の疑問を感じとったのか大貴さんはアクセルを踏み始めながら答えてくれる。


「今から行く本当の家は改装中だったからこの前は仮のマンションに行ったけどつい先週工事が終わってね。元は俺の実家で結構古かったんだけど今はピカピカでほんと最高だから楽しみにしてて」


大貴さんはそう言って楽しそうに微笑む


そうだったんだ。


、、、、大貴さんがそんなに言うなら少し楽しみかも。



それからしばらく無言の時間が続く


大貴さんが何度か口を開こうとするのがわかるけれど、それを拾えるほど俺のコミュニケーション能力は高くない。


ほんとにつまらないやつだと自分でも思う。


無愛想で人見知りな俺をなんで大貴さんは選んでくれたんだろう?


ふとそれが気になった。


「大貴さんは、なんで俺を選んでくれたんですか?」


大貴さんはバックミラー越しに俺と目線を1度合わせてからまた前を向いて言った。


「んー?急に?」


「はい。気になって。」


ふふふ。と大貴さんは笑った。


「侑李くんがいい子だったからって言うのと、雄也も俺も君に一目惚れだったからだよ。」



、、、大貴さんにパートナーがいることは聞いていた。


雄也さん。都外で単身赴任中であんまり帰って来れないらしい。


俺はまだ会ったことがないけれど大貴さんが写真を前に見せてくれた。


大貴さんみたいに眩しい笑顔をしている人。


少し強面だったけれど大貴さんの話を聞く限りいい人なんだろうなと心の底から思った。

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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年1月28日 9時

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