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補聴器をつけてみたこともあったけれど、余計耳鳴りが酷くなっただけだし、この前池に捨てられた。
毎日毎日身体的にも精神的にも追い詰められるこんな地獄にはもう飽きた
だから今こうしてこの世界とバイバイするために街で1番高い病院の屋上にいる。
なんでこの病院にしたかっていうとね。
どうせなら1番高いとこから飛びたかったっていうのともう一つ。
父さんがここで働いてるから。
ふふふ。性格悪いって言うのはわかっているんだけれどね。
少し皮肉を込めて。
ここを選んだんだ。
、、、、、、だけど父さんだけじゃなくて兄さんもここで働いているのがこの計画の問題点。
出来のいい兄さんと比べられることは数え切れないほどあるけれど兄さん自身は俺に対してすごい優しかった。
耳鳴りが酷い時はこれをつければいいよってこのヘッドフォンをくれたのも兄さんだし。
兄さんの優しさは身に染みてわかっているつもりだし、申し訳ないとも思うけれど、、、、、やっぱりこの理不尽な世界はやっぱり俺に合わないから。
そんなことを考えながら鉄棒で前周りをする前のようにぐっと柵から身を乗り出した時。
肩を叩かれた。
慌てて着地をし、後ろを振り返るとそこには1人の少年がいた。
俺も小柄な方だけれどそんな俺よりもっと背が小さい。
何やら口を動かしているからヘッドフォンを取るとすぐに想像していたよりずっと低い声が聞こえる
「何、聞いてるの？」
困った。特に何も聞いていないから。
「何も聞いてないよ。」
「そうなんだ。じゃあもう1個質問。」
少年は俺の全てを見透かしているような強い眼差しで言葉を続ける
「何で死のうとしているの？」
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作者名：ちゃん | 作成日時：2024年1月28日 9時
