インスタント・レゾンデートル ページ26
タイトルはお題配布サイトからお借りしました。
涼介(17) 侑李(17) 裕翔(26)
※病み表現微有
「センセーイ、また涼介くんが無視してきます!」
「ちょっと顔が良くて勉強ができるからってオマエ調子に乗るなよ」
「学校でいじめられている?そんなのに負けるな涼介。お前は勉強にだけ集中してればいいんだ。そんなんでへこたれていたらお前の兄にはまだまだ追いつけないぞ」
ウルサイ。
うるさい。
煩い。
五月蝿い。
「山田、頭冷えて気持ちいいだろー!」
「今日も〇〇を無視したバツだからな」
「まじ自業自得すぎて笑」
クスクス笑いとともに頭上に降ってきた冷水
今日学校でされたことを思い出すとキーンと不快な耳鳴りがして思わず顔を顰める
その不快な音から逃れようと首から下げていたヘッドフォンを装着し、眼下に広がる小さな家々を見下ろす。
勉強も運動もそこそこ。
困ることが少しぐらいあったって、人並みな人生を送れればいい。
幼い頃からそんなことを考えていた。
だけれど医者一家に生まれたせいで親戚や父からは勉強も運動も『イチバン』を求められた。
まあ、それは運命だって受け入れるしかないのかもしれないけれど。
それより俺を1番苦しめていたのは生まれつき何の音も聞き取ることの出来ない右耳だった。
この耳のせいで、クラスの一軍と呼ばれる男子を無視したという『罪』が生まれ散々な目にあってきたし、予期しないタイミングで起こる目眩や吐き気にも悩まされてきた。
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作者名:ちゃん | 作成日時:2024年1月28日 9時