太陽と弾丸 Ⅱ (ページ9)

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犯人と烈火ページ9

ymside

裕翔さんが襲撃されて1週間。

難航するかと思われた捜査は俺たちの危惧とは裏腹にあっという間に解決することとなる

俺と大貴さんが任務を1つ終え、裕翔さんのお見舞いに来たところ、丁度薮さんと光さんもいて、予期せずにHSJのメンバーがほとんど揃ってしまった

俺たちの視線の先にいる裕翔さんが目を覚ますことはまだないけれど。

何となく重苦しい空気が流れていたところに

2人の声と複数の足音が響き渡る。

「雄也さん！！ここでは走らないでって言ってるよねいつも！！」

「悪い悪い侑李。」

「ってだれそれ？」

そんな声と共に病室の扉が開け放たれる

入ってきたのは

知念先生と

雄也さん

そして雄也さんに腕を掴まれた公安部所属の、佐藤さん。

雄也さんと距離を取りたがっているように見えるのは気のせいだろうか。

確かBLACKとは別の組織の情報屋として潜入している人だ。

知念先生は心配そうに一度俺たちを見て、何も言わずに部屋を出ていく

ドアが閉まる音と共に静寂に満たされる病室

しかしそんな空空寂寂とした雰囲気を破ったのは薮さんだった。

「雄也。なんで佐藤を連れてきた？」

雄也さんは佐藤さんの両腕を片手でまとめて持ち、まるで捕虜を突き出すように自分の前に立たせた。

「裕翔を売った犯人。自白した。」

は。

佐藤さんが？

なんで

理由は。

たちまちみんな俺と同じように困惑や怒りが混じったような表情になるのがわかる。

当の佐藤さんは俯いていて表情がよく見えない。

「本当か？佐藤。お前がやったのか？」

薮さんが落ち着いた声でそう尋ねる。

「、、、、はい。」

答える少し低めの声。

あぁと薮さんがため息をつくのがわかる。

「どうして。仲間を売ったんだ？」

「金が、欲しかったからです」

そんな理由で。

仲間を売った、？

俺がそう感じたのと同時に目の前を人が横切るのがわかった。