太陽と弾丸 Ⅱ (ページ8)

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結局診療所の扉が再び開いたのは俺が裕翔から連絡を受けて5時間後のことだった。

侑李が疲れた表情で出てくる

ar「侑李、！！！！！裕翔は、、、、、？」

薮くんは仕事に戻ってしまったから俺と山田の2人で侑李に駆け寄る

cn「、、、、一命は取り留めた。だけど出血性ショックを起こしてて結構長い間危ない状況だったから、山場は超えたけどこの後が大事になってくると思う。」

ar「意識は、？」

cn「正直戻るか五分五分。昏睡状態のままの可能性も十分あるし、目が覚めても後遺症が残ってるかもしれない。」

そう淡々と話す侑李の言葉は絶望的なものだった。

ym「そんな、、、、、、、、」

山田が唇を噛み締める

cn「、、、、言っとくけどあんなに出血が多くて助かったことが充分奇跡だよ。裕翔めちゃくちゃ頑張ったんだから。会って労ってやってよ。」

そう言って侑李はまた診療所へ戻ろうとする

ar「ちょっと待って侑李、！それって今面会していいってこと、？」

侑李はゆっくりと振り返る

cn「、、、、本当は面会謝絶にしたいよ。負担かかるから。だけど今回は特別。静かにして入ってきてよね」

侑李の返事を聞き、2人で診療所へ入っていく

侑李の無言の視線の先にあるカーテンをそっと開ければ、人工呼吸器を装着された裕翔がいた

心電図の規則正しく動く波形を見てやっと胸を撫で下ろす

しかし裕翔にさらに近づくとはだけた服の下にぐるぐると包帯が巻いてあるのが見える

それがとても痛々しくて。

気づけば自分の爪が手のひらに刺さるほど強く拳をつくっていた。

ym「誰が、こんな酷いこと。」

山田も悔しそうにつぶやく。

山田の言う通りだ。

本当に誰が密告したんだ？

密告した目的も分からない。

HSJだけでなく公安のメンバーの顔を順々に考えてみるけれど、

あの中の誰かがこんなことしたって信じられないし、信じたくなかった。

メンバーの誰かだと考えてしまう自分にも嫌気が差す。

、、、、どれだけ俺が目を背けようとしても真実には向き合わないといけないんだけれど。

裕翔のためにも。

「大貴はほんとに正義感が強いね」

そう言ってくれた慧のためにも。

そっと胸の中でそう誓った。