太陽と弾丸 Ⅱ (ページ21)

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太陽と如夜叉ページ21

araide

裕翔が目を覚ましてから２週間が経った。

しかし、相変わらず裕翔の左手は動いてくれない。

侑李によれば後遺症だろうって。

あの日から覚悟していたがいざ確定となるとやっぱりやり切れなくて、どうしようもないほどに悔しかった。

1番悔しいはずの裕翔(ほんにん)は「仕方ないよ」と笑っていたけれど。

その笑顔が今までそんなこと感じたこと無かったのに、俺に向けて「それに多分俺もう助からない」と言って笑った慧そっくりで、俺の胸はさらに締め付けられた。

だけど、俺がどれだけ悔しがって、後悔しても裕翔が襲われた時には戻れないから。

この現実を受け入れるしかない。

過去に縋り付いてじたばたしている暇があるなら、裕翔の分も早く仇を撃たなければならない。

そう、決めた。

それに俺の脳内にはまだ佐藤の言葉がこびりついている。

『騙されちゃ、駄目です。』

あれから髙木くんの行動をそれとなく観察したり、あのころの記録をもう一度探ってみたりしたが、特におかしい点はなかった。

、、、、金庫室にある監視カメラのデータが問題の時間だけ削除されていたことを除いて。

その事を知った時、髙木くんに対する疑惑が大きくなってしまった自分がいるのは否めない。

あの出来事から３年も経っているし、誰かが削除してしまった可能性もあると思う。

うちのデータベースの保存期間は最低一年間でそれ以上すぎたら削除してもいい決まりになっているから。

そう理由付けしながらも晴れない髙木くんへの不信感にもやもやしながら報告書を書いていた時。

「有岡くん、今ちょっといい？」