太陽と弾丸 Ⅱ (ページ19)

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「へいへい」

侑李は切り替えが早いな。

そう思いながら裕翔の手を握る力を少し弱くした時。

するっと裕翔の手が俺の手の中から落ち、ベッドで軽くバウンドする音が部屋に響く。

それを見た侑李が途端に顔色を変えるのがわかった。

「裕翔。これから両手両足、僕が順に持っていくから数秒キープして。」

早口で侑李がそう言うが、その表情の険しさの理由を知るものはあの場にいなかったように思う。

「じゃあ初めは右手。、、、離すよ」

もちろん成功。

とりあえずみんなほっと息をつくが、侑李だけはにこりともしなかった。

「いいね。次。右足」

これも成功。

「次。左足。」

もちろんこれも成功

「じゃあ、最後。左手ね。」

侑李が先程まで俺のいた場所に立ち、裕翔の白い手を丁重に持つ。

「じゃあ離すよ」

侑李がそう言って手をどかした途端、裕翔は顔を少し歪め、それからいとも簡単に裕翔の左手は重力に逆らうことなく、落ちた。

「そんな、、、、」

山田が小さく呟いた声を鼓膜が感じとった瞬間、それが意味することをやっと理解した。

「もう1回、やってみるね。」

侑李はそれを3回も繰り返した。

どれも結果は同じだったけども。

ボスが鼻をすする音が先程より大きく聞こえた気がした。