太陽と弾丸 Ⅱ (ページ17)

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ミントと曖昧ページ17

arside

悶々とした気持ちを抱えながら資料室を出ると、聞こえてきたのはそそっかしい足音。

音のする方を見れば、山田が走ってきていた。

「有岡さん！！！！どこ行ってたんですか！！！急に飛び出して！！！」

山田が焦った様子でそう言う。

「あ、うん。ごめん。」

返事をする声は自分が思っているより頼りなかったと思う。

山田はそんな俺を少し心配そうに見てから俺の手首を掴んで走り出した。

「とりあえず行きますよ」

「なに。そんな急いで。」

ただ事では無い様子の山田に引っ張られながらとりあえずそう尋ねると

「裕翔さんが！！！目を覚ましました！！！」

え。

「お前、それを先に言えバカ！！！」

裕翔が目を覚ました。

心の中でその言葉を反復しながらギアを上げる

「ちょ、先輩！早いです」

いつの間にか俺が山田の腕を引っ張っていた。

まだまだだな山田も。

嬉しさが抑えられないまま、ドアを勢いよく開ける

と、目の前に飛び込んできたのは侑李が裕翔に聴診器を当てている姿だった。

「心拍は、問題ないね。次の確認に移りたいとこだけど、せっかちな『お客さん』来たみたいだからちょっと変わるわ。」

侑李は裕翔にそう言いながら軽くベッドを起こし、俺の方をちらりと見る。

侑李にごめんね。の両手を合わせながら裕翔に駆け寄る