太陽と弾丸 Ⅱ (ページ14)

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「噂には聞いてましたけれど、有岡さんはまだ伊野尾さんの事件に固執しているんですね。もう3年も経つのに。」

と愉快そうな声のトーンを聞き、怒りで目の前が真っ白になるのがわかる

お前にとっては''もう''かもしれないが、俺にとっては''まだまだ''昨日起きた出来事のように鮮明なんだよ。

あの時の銃声、引き金(トリガー)を絞った感覚。

今でも夢に見ることがある。

それほど、俺にとって慧は大切な存在だったから。

そのことについてオマエがとやかく言う権利は無い。

「お前が慧を売ったのか。YESかNOで応えろ。そうしないと、今ここで殺す」

絞める腕の強さを少し上げながらそう言い放つ。

佐藤はまだ顔に笑みを張りつけたまま、少し目を細めた。

「誠に残念なことに『NO』です」

ふふふ。と笑いながら佐藤は俺の瞳を覗き込む。

その一つ一つの言葉と行動に腹が立って。

再び視界が白く染まる

「嘘だ！！」

「有岡さんだって知っているはずです。俺が公安に来たのは伊野尾さんが亡くなる1か月前。密告どころか話したことも1回しかありませんよ。」

追い討ちをかけるように佐藤はそう畳み掛ける

全くもって密告者の手がかりが掴めない暗闇に、やっと光が差したと思ったのに。

「お前じゃないなら。誰がやったんだよ、、、、、」

深い絶望に侵されながら気づけばそう漏らしていた。

「教えてあげましょうか？」