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こうしてその日は突然訪れた。


いつも通り仕事をしていると病院から電話が。


大貴の体調が芳しくないという連絡だった。


震える手と早鐘のように脈打つ心臓を必死になだめながら急いで双子を幼稚園に迎えに行き病室に駆け込む。






心電図の規則的な音。


酸素吸入器の稼働音。


それらの音だけが病室に響いていた。



俺たちの姿を見て処置をしてくださっていた主治医の先生と複数の看護師さんが後ろに下がってくださる。






「大貴ー。涼介くんと侑李くん来たよー。」



大貴が双子の顔をよく見えるように2人を両腕に抱えながら、言語障害が出てきていた彼に伝わるようにゆっくりと優しくそう言葉を発する。



すると俺の言葉が届いたようで最近はあまり焦点が合わなかった目がこちらに向けられた。



酸素マスク越しに大貴が口を開くのがわかる。



「りょ、う、。ゆーり。」



双子が俺の腕の中から『ぱぱ』に手を伸ばす。




「ぱぱぁ、!!!」



その様子を見た先生が特別に。と双子を大貴のベッドに入れてくださる。



小さな2つの手が骨ばった大貴の手を包んだ。



「2人、の、手、すごい、あったかいなぁ。」



大貴はそう言ってふわりと微笑んだ。



ym「ぱぱの手冷たい、。」



大貴とは対照的に双子が悲しそうに目尻を下げる。



「ごめん、なぁ。」



大貴はそう謝りながらも顔には笑みが浮かんでいた。



「涼介。侑李。」



2人が愛おしくて愛おしくてたまらない。


そんな思いが溢れ出た優しい眼差しと声で大貴は双子の名前を呼ぶ。



ym「ぱぱ!」

cn「なぁに!」



2人はそんなパパを見て、悲しそうな表情から一転。



パパにそっくりな笑顔になった。




「慧にいの、言う、こと。これからも、ちゃんと、聞くんだよー、?」



「聞く!!!」



「2人は、やっぱり、お利口さんだね、。」



大貴は微笑みを絶やさぬままそうゆっくりと丁寧に言葉を紡いだ。

・→←さよならじゃない



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作者名:ちゃん | 作成日時:2023年12月21日 18時

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