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ybside

※嘔吐表現微有

─────ドンッと何か大きいものが倒れるような音がした気がした。

慌ててはね起きる。

俺の両サイドにいた双子もその音が聞こえたのかそれとも俺が起こしてしまったのか眠い目をこすりながら起き上がった。

cn「やぶくん、なにかたおれたぁ？」

ym「じしん？」

むにゃむにゃと聞こえそうなほど細い目をした2人がふにゃふにゃと聞いてくる。

「地震では無いと思うけど、伊野尾がなにか倒したのかも。俺先下降りるから2人はゆっくり階段降りてきてね。」

2人を安心させようと両手でぽんぽんと頭を撫で暖かいベッドから抜け出す。

今日は休みだし、本当はもっとのんびり寝ていたかったのだけど、そうしてはいられないような、何となく嫌な予感が脳裏をよぎった。

あいつ意外とおっちょこちょいだから何か落としたんじゃないだろうな。

怪我、してないといいけど。

ひやりと冷たい朝の空気を割くように早足で１階に駆け下りる。

しかし、心配は杞憂だったようでリビングには誰もいなかったし、俺の見る限りでは昨日と同じで何も倒れた様子はなかった。

空耳だったのだろうか。

もう1回寝直そうかと一瞬思うけれどそんな俺の意思に反してじっとりとした汗が背中を這う。

その嫌な予感に導かれるように何気なくキッチンを覗いたら。

そこには苦しそうに顔を歪め、倒れている伊野尾がいた。

「伊野尾！？」

慌てて傍に駆け寄る。

その口元の傍には透明な液体が垂れていた。

もしかして、吐いたのか？

ぐっしょりと冷や汗がかかれていて前髪はぺたりと額に張り付いている。

「伊野尾、おい、しっかりしろって。」

少し強めに肩を叩く。

ただ寝ているだけだと願いながら。

「伊野尾！！！」

相変わらず苦しそうに眉根を寄せているだけで伊野尾が起きる気配はなかった。

ym「やぶくん？」

2人が1階に降りてきたようだった。