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6歳のふたりへ ページ39

noside




オレンジ色のニット帽を被り鼻に酸素チューブをつけた大貴が画面に映る。


背中をベッドの背もたれから浮かせて少し前のめりになっているから、テンションが高いようだ。



「りょう、ゆーり」



右手で手を振る大貴。



「2人ももう6歳かー!大きくなったんだろうなあ。」



そう言って彼は嬉しそうにカメラを見つめる。



「6歳ってどれくらいの身長なんだろ?これくらいかな?」



2人の身長を予想するように大貴は自分の腰あたりに手のひらを浮かせ、それからまるで2人の頭を撫でているようにその手を少し左右に揺らした。



「慧にいとは仲良くやってますか?」



首をことんと右に傾けた。



「好き嫌いもしてないかな?」


「2人は何が好きなんだろう?何が嫌い?」



2人の声を聞くように大貴は数秒目を閉じ耳を傾ける。



「ふふふ。そっか。パパもそれ好き。」



しばらくして大貴はにこっと笑った。



「来年の今頃はもう、小学校かな。」



「2人ならきっとすぐにたくさんのお友達ができるよ!」




大丈夫。そう呟きながら大貴は胸の前で小さくガッツポーズを作った。



「その前に卒園式とかもあるのかあ。」


「パパもお空からちゃんと見てるからね」



大貴は目の辺りで眼鏡のように輪っかを作り少し体を揺らして、だけど少し切なそうに笑った。



「慧にいも意外と泣き虫だからね、泣いちゃうんじゃない?」



その姿を想像したのか、切なそうな笑みとは打って変わってははと少し上を見上げて大貴は笑う。



笑って涙が出たのか目元を少しぐりぐりしたあと、再びカメラを見つめた。



「大好きだよ。2人のことが。一昨日も、昨日も、今日も、明日も、もちろんこれまでも、これからも。世界で一番大好きだ。」



「パパとママのところに生まれてきてくれて本当にありがとう」



大貴は真剣な目でそう言ったあと少し照れくさそうに耳たぶを触った。



「改めて6歳のお誕生日おめでとう!2人にとって最高の1年になりますように!」





また来年ね、そう言って6歳の2人に当てたビデオは終わった。

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作者名:ちゃん | 作成日時:2023年12月21日 18時

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