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その人物が画面の向こう側で話してるのを見ながら少し悲しくなる。
「また見てたの？大ちゃんのビデオ。」
いつも俺が伊野尾の代わりで来た時は大体かかっているビデオ。
「6歳の誕生日おめでとう」って言ってるってことはこの間のか。
cn「うん！」
ym「パパの声聞きたいもん！」
無邪気にそう言う2人を見ると更に心臓がぎゅっとなる。
「、、そっか。」
パパ、ね。
大ちゃんが亡くなってもう少しで4年か。
まだ、それくらいしか経ってないのか。
それとも、もうそんなに経ったのか。
きっと、この家族にとっては''まだ''なんだろうな。
というか''もう''と思える人が、あの人と1度でも関わった人の中でいるのだろうか。
俺も含めて、大ちゃんはいろんな人に影響を与えたから。
今でも「薮くん」ってはにかむアイツの顔、鮮明に思い出せる。
しんみりとした気持ちを吹き飛ばすように軽く首を振り、キッチンへと行く。
「ご飯作るから待っててー」
って言っても伊野尾や光が作った作り置きのおかずをチンするだけなんですけれど笑
俺はなぜか伊野尾からこのキッチンで火を使うこと禁止されてるからね。
俺だって一人暮らし生活もう10年以上になるのに、、、、不思議だ。
とりあえずご飯もチンは可哀想だから、炊飯器にお米をセットする。
おかずはご飯が炊けた後でいいよな
ということでものの数分で手持ち無沙汰になってしまったので再びリビングへ戻る。
ym「薮くん、いつもみたいにパパのお話聞かせて！」
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作者名：ちゃん | 作成日時：2023年12月21日 18時
