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度々あるこういう時のために渡されている合鍵を使って伊野尾んちの玄関の扉を開けると、直ぐにドタバタと走ってくる2人分の足音が聞こえる

「慧にい、おかえり！！」

リビングの扉が開かれ、双子が顔を出す

「お邪魔しまーす」

がっかりさせてごめんなって思いを込めて控えめにそう言うと、双子は揃って首を傾げた

cn「薮くんだー！」

ym「慧にいはー？」

「お仕事まだかかるんだって。だから俺が来た。お腹空いたろ？ごめんな」

そう言いながら両手で2人の頭を撫でる

また大きくなったな、この双子。

ymcn「そっかあ」

さすが双子というほど揃った動きで2人は少しうなだれ、その後俺の手を片方づつ持ってリビングへと連れていってくれる

cn「けど薮くんに久しぶりに会えて嬉しい！」

ym「会いたかったよ！」

こんな言葉までかけてくれるなんて本当によくできた双子だ。

疲れた体に2人の笑顔は染みるなあなんておじさん臭いことを思いながらリビングへの暖簾をくぐる。

「りょう、ゆーり。」

しかし、聞こえてきた声に思わず立ち止まってしまう。

懐かしい声。

その声の出処をぐるりと見回せば、すぐにこれまた懐かしいくるりとした目と目が合う。

、、、、そりゃそうだよな。