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それから5分ぐらいたった頃だろうか、
お兄さんが俺の口から手を離し、
「ごめん。急に、君は家に帰った方がいい。教えてくれてありがとな。変なことに巻き込んでごめん。」
そう俺に言った。
それを聞いた俺はお兄さんに会釈してただ走って施設に戻ることしか出来なかった。
それからしばらくして救急車やパトカーのサイレンの音が聞こえた。
絶対大きな事件だと思ったんだけどなぜかニュースにも噂にもならなかった。
お兄さんもそのあと引っ越したらしくて
まるでそんな家族最初からいなかったみたいに、みんな接してた。
俺はと言うとそれからしばらく
毎晩血が出てくる悪夢にうなされて
翌朝目が覚めて、なんで助けられなかったんだろうって後悔の繰り返し。
それで血が苦手になった。
同時に強くなって弱い人を、あの時助けられなかった家族のような人をこれ以上出したくないと思うようになった。
それで警察官になったって訳。
まあ今でもあの事件と呼んでいいのか分からないけど、あの出来事が自分の悪夢だったらいいのにと思っている。
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作者名:ちゃん | 作成日時:2023年12月13日 19時