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それから数週間は何も手につかなかった。


さすがに仕事には行ったが。


通勤の途中でいのちゃんが食べたいって言ってたやつだ、とか

いのちゃんに似合いそうな服だなあとか、

いのちゃんに似ている髪色の人がいるなあとか

何を見てもいのちゃんに関連づけてしまう。


こんなんじゃダメだとより仕事に精を出すようになった。




それから数年後


営業先から会社へ戻ろうとした時


見つけてしまった。


ふわふわの茶髪


華奢な後ろ姿


どうしても忘れられなかったあの姿だ。


そう思った時には走り出し、
彼の腕を掴んでいた。


驚いたように振り返る彼。


夢にまで見たその顔を見た時はっと我に帰った。


よく見れば隣には知らない男もいる。


しまった。


もういのちゃんは前を向いてるんだ。


とまたショックを受けそうになった時

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作者名:ちゃん | 作成日時:2023年12月1日 15時

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