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「お前が雪さんと婚約するんだ」
なぜそう淡々と残酷なことを言うのだろう。
「父上!!!それはあまりにも残」
「大貴」
兄の声が俺の声を掻き消す
「俺がこんなことになったせいで雪さんと大貴には迷惑をかけてしまい本当に申し訳ない。大貴と雪さんは面識もあるだろう?だから大丈夫だよ」
大丈夫か大丈夫じゃないかなんてそんな話をしているんじゃない。
「兄さんはそれでいいのかよ!!」
もっと怒れよ。こんな時までいい人ぶんなよ。
兄は一瞬驚いた顔をした後、言った
「だって仕方のないことだから」
そう諦めたように微笑む。
「そういうことだから大貴。明日雪さんと会食だからな。」
そう言って部屋を出ていく父とお医者様
「大貴、ありがとうな。俺は大丈夫だから。ほら早くお前も部屋を出ていきなさい。移したらいけないから」
どこまで優しいんだ兄さんは
本当は全然大丈夫じゃないくせに
兄に抱きつきたい衝動をこらえ部屋を出ていく
去り際に見た涙を堪えた表情には気づかないふりをして
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作者名:ちゃん | 作成日時:2023年12月1日 15時