ヒモの彼氏とヒモノの私と、 (ページ17)

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アイスページ17

「…おはよ、北斗」

「はよ、あれ…？」

「北斗リビングで寝ちゃってたから、運ぶの大変だったんだよ？」

「うわまじか…ごめん」

「おんぶしたのに全然起きなかった」

「重たかったでしょ？」

「うん」

そんなことよりアイス食べよ、とキッチンに走っていくと
朝飯も食わねえでアイスかよ、と北斗も着いてくる。

「だってもうお昼だよ？たまにはいいじゃん」

「いいけどさ…俺バニラがいい」

「はーい」

昨日の夜コンビニで買ってきたアイスを取り出して
ソファーに並んで座ってフタを剥がす。

「バニラひと口ちょうだい？」

「ん」

つけっぱなしのテレビは休日のお昼らしい賑やかな番組を流していて
外から陽の光も差してなんとも穏やかな昼下がり。

こんな幸せが、ずっと続けばいいのにな。

「ね、北斗」

「ん？」

「んーん、なんでもない」

「…あっそ」

もくもくとアイスを口に運ぶ横顔を見ながら
そんなことを考えていた。

美穂って誰？、って聞きたい気持ちをかき消すように。