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26 Hokuto ページ26

近所の公園でベンチに並んで座った俺たち。
生もの買ったとこだから話は手短にな、と伝えながら
レジ袋の中のひき肉に感謝している俺がいた。



「お前が報道関係の仕事してるなんてな」

「意外だったか?」

「ぴったりだろ、なんてったって情報屋だもんな」

「…お前は?」



自分から振った話題に一瞬で後悔して言葉に詰まる。
俺の方をみない情報屋は、ははっと小さく笑った。



「…ま、言えねえよな。OLに拾われて専業主夫まがいの暮らししてるなんて」

「何で知って…」

「半分は想像だよ」



してやられた。こいつはいつもそうだ。
また言葉を失い、今度は沈黙が流れる。



「お前いつまでそんな生活続けるつもり?」

「…俺だって、早く終わらせないとって思ってるけど、」

「その女のこと好きになった?」



苦し紛れで続けようとした言葉を遮った情報屋の声音は鋭い。
香水でもつけているのか、甘ったるいバニラの匂いがいっそう俺を息苦しくさせた。



「お前自分が前科者だってこと忘れてねえか?どうせそれも言ってねえんだろ」

「そう、だけど…」

「俺たちにはそれが一生ついてまわんだ、忘れんなよ」

「っでも、お前だって今普通に暮らしてるだろ!他のやつらも、」

「ジョーは結局なかなか定職に就けなくて今はカタギの仕事はしてない。ヒロトもそうだ、あいつなんて殆どその日暮らしみたいなもんだ。エガオは…最近また捕まったらしい」



いかにも事務的に淡々と、情報屋はかつての仲間の名前を口にした。
…当たり前だ、みんな一度は道を踏み外したんだ。普通に幸せになんてなれっこない。
俺も、情報屋も、あいつらも…



「お前がその女にどんな感情を抱いてようが構わねえけど…いつかお前もその女も絶対傷つく時が来る、隠したって無駄だ。それを忘れんな」



それだけ言うと、情報屋は俺を置いてどこかへ行った。



「そんなのは分かってんだよ…」



分かってた。
ただ、認めたくなかっただけだった。

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作品ジャンル:タレント
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はぴ(プロフ) - 澪さん» ご指摘の点、修正いたしました。最後までお読みいただきありがとうございます! (2019年10月27日 23時) (レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - あんずさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます...!お楽しみいただけて何よりです! (2019年10月27日 23時) (レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうございます!すみません、あの次のお話にいくときに押すボタンのところがまだ続くになっていますよ 完結したので編集画面で執筆状態のところを完結にしてくださいね (2019年10月27日 22時) (レス) id: 1546ba87f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます…!すごく惹き込まれるお話で、最近はこのお話の更新が1番楽しみでした!素敵なお話をありがとうございます。とっても楽しかったです!本当に、お疲れ様でした! (2019年10月27日 22時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - ぽめり。さん» お読みいただきありがとうございます!本日で完結してしまいましたが、また今度お話を出すときに読んでいただけたら幸いです! (2019年10月27日 21時) (レス) id: fcb0b50e70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぴ | 作成日時:2019年10月5日 23時

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