ヒモの彼氏とヒモノの私

21 ページ21

薬を飲んでぐっすり寝たのが効いたのか、
目が覚めた頃にはすっかり楽になっていた。
今何時だろうと思って時計を見れば、
もう日付も変わりそうな夜中。



「…北斗もう寝たかな」



リビングに出てみると、
電気がつく中でテーブルに突っ伏して寝ている北斗。
毛布もかけていないしいつものスウェットに着替えてもない。



「北斗？」

「…ん」

「看病ありがとね、もう大丈夫」

「そう…よかった」



どこか素っ気ない…気だるそうな返事。
なんだか目もうつろで潤んでいるような…



「北斗、熱あるんじゃない？」

「いや俺は別に…」

「ほら測って！」



やたらと渋る北斗に体温計を押し付ける。
ピピッと鳴った小さな液晶に表示されたのは、
さっきまでの私より高い熱。



「うつしちゃったかな…ごめんね」

「大丈夫…もう寝るわ」

「…まさかここで寝る気じゃないよね？」



ソファに座って毛布を広げる北斗を慌てて止める。
こんな熱出してるのにソファで寝るなんて治す気が感じられない。



「だって…」

「いいよ、ベッドで寝て！私はもう平気だし、お水とか持ってくから着替えといて！」



きょとんとする北斗を着替えと一緒に寝室に押し込んで、久しぶりに冷蔵庫を開けた。

22→←20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す