第七話 ページ8
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「遅い、もう少し早く。」
「いってぇ!」
組み手で何回も五条は転がされている。かれこれ数十分はしている。彼は汗だくになっているのに、少女は汗一滴かいていない。
「…一旦休憩しよ。五条君。」
Aは五条に手を差し出した。五条はその手をパシッと受け取る。少女は軽々しく五条を持ち上げた。ゴリラだ。
「(ゴリラじゃねーか。)」
「変なこと考えてたらぶっ飛ばすから。」
五条は身震いした。エスパーかよと五条は思う。入学してから一ヶ月。少女と抱えられている青年(五条)は入学の日をきっかけに打ち解けた。今では野蛮な言葉を言えるくらいになっている。
Aは夏油、家入がいる木陰に向かった。
「はい。下ろす。」
五条は下ろされた。いや、正確には投げ飛ばされた。受け身を取ったので怪我はしなかった。
「いきなり危ないんだよ!」
「でも、受け身取れてたじゃん。それが成長してる証拠だよ。」
五条は術式頼りだ。一ヶ月位前は、いきなり投げ飛ばすと受け身が取れずにいたが、今では率直にできるようになっている。
「ふふ、悟もまだまだだね。」
「精々頑張るんだな五条。」
五条は夏油、家入とも打ち解けていた。今ではここまで言われるようになった。でも、仲良くなっているのは事実だ。
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作者名:adj | 作成日時:2022年4月23日 16時