正体 ページ10
結局その日は、ソファで寝ようかとも思ったけど、伊野尾さんを壁側にして、ベッドに無理やり入って寝た。ソファだと体痛くなるし。
「……から、……ってば、もう!」
「ん……けい……?」
「え、あ、山田さん」
「……もう涼介って呼んでくれないんだ」
「……キャラ、変わりすぎ、」
「だって伊野尾さんはこっちの俺の方が好きそうだったから」
「……涼介だって、俺のこと『伊野尾さん』って呼んだじゃん」
しおらしいと思えば、急に口の端を上げて、甘い笑顔を浮かべる。
繋がっていたはずの電話を切って、スマホを放り投げたから、ちゅ、と口付けると、目を細めて、俺を見つめた。
「……彼氏?」
「え?」
「電話。やぶ、って人?」
「あ〜……うん」
「怒ってんじゃないの、浮気して」
「さあ。恋人じゃないし」
「うわ、えげつな。好きでもないヤツのこと、わざわざ家に置いたりしないだろ」
「山田さんって、案外口悪いね」
キスで言葉を止められた。ああ、なに、この人すごい遊んでる人じゃん。第一印象で思い込むのはよくないね、やっぱ。
まあそれは、俺の正体を知らない伊野尾さんにも言えることなんだろうけど。
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JUMP の虜♪ - すごく面白いです(*≧∀≦*)更新頑張ってください!! (2019年1月6日 23時) (レス) id: 5a3b5569f1 (このIDを非表示/違反報告)
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